野草だより
142号
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特集 長生きの決め手は“センイ”にあった!

Edamameは世界共通語
――枝豆から見えた、和食文化のゆたかさ――


ユネスコ無形文化遺産である「和食」。世界の人びとの関心は、おいしくて美しいだけの和食ではなく、和食が長寿大国ニッポンのもとを築いているのでは? というところにありました。

本誌「教えて! 荒木先生」でおなじみの編集部員さとみちゃんに、荒木先生より「和食と長寿の関係を調査せよ」との指令が。海外から枝豆が注目されているという話を聞きつけて、さっそく調査を開始しました。


特集 長生きの決め手は“センイ”にあった!
Edamameは世界共通語 ――枝豆から見えた、和食文化のゆたかさ――(2)

ビニールシートの下には枝豆がいっぱい。写真右奥の名峰・弥彦山からの清冽な水をたっぷり吸って枝豆が育つ



弥彦むすめの収穫は5月初旬にはじまる。これが実ると「初夏が来た」と弥彦村の人たちは感じるという



弥彦村では家庭菜園で枝豆を育てる人も多い。ホームセンターにはさまざまな種類の苗が並ぶ

和食の中でも「枝豆」に
世界が注目!

ニッポンの夏の風物詩、枝豆。ほんとうに世界から注目されているのでしょうか。こんなときには文明の利器、インターネットの出番。ためしに「edamame」と検索してみると、膨大な数のページが出てきました。なんとその数、約500万件! じつは、グーグル*1では、和食の分野で「sushi」に次いで「edamame」が検索キーワード数第2位だったのです*2。どうやら海外では、枝豆は「edamame」として定着しているようですね。おいしい、ヘルシー、調理がかんたんなど、人気の理由は、日本と同じ。

そもそも枝豆は、ほうっておけば大豆になるもの。大豆を料理に用いる文化圏は世界中に広がりつつあるものの、大豆になる前の「未成熟の若い豆を食べる」という習慣が海外では珍しいようです。日本人の勤勉さで改良を重ね、いまや枝豆専用に400種もの品種があります。

日本で枝豆の作付面積がもっとも大きいのは、新潟県です。ところが、出荷量では千葉県が日本一。それはなぜなのでしょう? 枝豆のヒミツを探りに、収穫がはじまったばかりの新潟県・弥彦村へ向かいます。



*1 世界でもっとも多くつかわれているインターネットの検索サイト
*2 グーグルで海外のユーザーが検索した、和食に関するキーワードの多かった順(2013年1月~11月)



世界の枝豆事情

世界の人びとがグーグルで検索した和食の内容は、1位寿司、2位枝豆、3位ラーメン、4位刺身、5位天ぷら……。そこでさまざまな国の人びとに枝豆について聞いてみた。イタリア、ドイツなどヨーロッパの方からは「日本食レストランの人気メニュー」との回答が。アメリカではもう一歩進んで「多くのスーパーの冷凍食品売場で買える」「日常に浸透している」「サラダにくわえたり、肉料理のつけあわせにする」といった声も。さらに、海外のラーメン店や寿司屋のお通しとして出されることが多くなり、オードブルの定番ともいえそうだ。


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Edamameは世界共通語  ――枝豆から見えた、和食文化のゆたかさ――(3)

朝収穫し、午後には出荷。早どりの弥彦むすめは、豆と豆の間にくびれがある

自慢の弥彦むすめを持つ丸山さん。忙しい収穫期でも、その姿はいきいきと輝いている



仕事中の丸山さんをひ孫が陣中見舞いに



出荷用に枝豆を水洗い中



地元の名物である豆菓子。年間を通じて豆類はとても身近な存在だ

種まきから収穫まで
すべて手作業

弥彦村は、新潟県中央部の日本海側に位置する人口約8500人の村。村内には多くの水田が広がり、田植えがはじまったばかり。そしてあちこちに枝豆畑が点在しています。

むかえてくれたのは、枝豆農家の丸山良正さん(82歳)。現役でいちばんのご長寿です。

「この『弥彦むすめ』からはじまって、 5月半ばから9月初めごろまでが枝豆シーズン。これから暑さに比例して、だんだんと味が濃くなっていくんだよ」

県内には、枝豆のブランドが50~60種類もあり、スーパーや直売所で土のついた枝ごと売られています。玄関先では枝豆を鞘から外す光景が見られ、食卓には、常にゆでた枝豆が置いてあります。なんと、ひとりでどんぶり一杯食べるんだとか。「日本でもっとも枝豆を食べているのが新潟県人」とはJAの方の弁。なるほど。だから新潟県では枝豆の出荷量がすくないんですね。あまりのおいしさに県内で食べてしまうなんて、さすが枝豆王国!

「種まきは1月下旬、まだまだ雪が積もっているころにはじまって、収穫まですべて手作業ですよ。腰ほどの高さのビニールハウスの中を、はいつくばるようにして苗を植えるんだ。暑い時期はハウスの中に風を通してやらねばならないし、涼しくなればビニールを閉じる……手間はかかるよ。でも、枝豆はおいしいからね」

こう語る丸山さん。その笑顔がなんとも印象的です。腰はまっすぐに伸びて、元気そのもの。広い畑を指して「ここ全部自分で苗を植えたんだ」と話す姿は、とても80代には見えません。まさに健康長寿のお手本です。


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Edamameは世界共通語  ――枝豆から見えた、和食文化のゆたかさ――(4)

管理栄養士・料理家
堀知佐子氏
調理師専門学校での栄養学・料理講師を経験後、独立。大手食品会社などの顧問を多数務める。食とアンチエイジングの関係を研究する第一人者である



新潟名物、コシヒカリでつくった枝豆ごはん。栄養バランスがよく、長寿のもとになる和食



直売所には周辺でとれた新鮮な野菜がたっぷり。地産地消が根づいているのが感じられる

長寿を支える和食文化に
センイが大活躍

「枝豆=ヘルシー」というイメージはあるものの、具体的にはどんな栄養素が含まれるのでしょう。管理栄養士で料理家の堀知佐子先生に伺いました。

「枝豆は、栄養バランスに優れています。まず、タンパク質、そして葉酸やカルシウムも多く含んでいます」

大豆イソフラボンも有名ですね。男女問わずとりたい栄養素が盛りだくさんです。

「じつは、食物繊維も豊富。豆というと繊維質のイメージはないかもしれませんが、レタスや白菜、セロリよりも食物繊維を多く含んでいるのです*3。血糖値の急激な上昇を防ぐ役割があり、最近研究が進む腸内環境の向上に、大いに期待が持たれています」

豆に食物繊維が多かったとは、驚きです。そういえば、枝豆が熟した大豆は、和食に欠かせないもの。長い歴史をかけて、大豆から味噌、醤油、豆腐、納豆などすばらしい食品をつくりだしてきました。和食には、食物繊維や発酵食品がたっぷりだから、日本人の長寿に大きな貢献ができたのでしょう。和食、そして枝豆は、世界に誇るすばらしい日本の文化なのですね!



*3 可食部100g中の比較




妙高通信 第104回
『野草酵素』のふるさと、妙高高原からのメッセージ。開発者・近藤堯氏が綴る好評連載。

今年は戦後70年……わたしは満州事変の起きた昭和6(1931)年生まれですから、その後の日中戦争、太平洋戦争と文字どおりの戦時下育ち。当時の日本はまさに「国破れて山河あり」。戦争に明け暮れて人びとは困窮し、飢餓に直面していました。

この時期にわたしは一生の仕事ともいえる課題を見つけました。昭和20(1945)年、新潟県立高田農学校(現高田農業高校)に進学、そこで微生物、酵素の世界を知ったのです。



好きで選んだ道、妥協はしない

「酵素で人のお役に立てる」、敗戦に打ちひしがれるいっぽう、「好きな道ができた」希望に燃えました。酵素を活用して食糧増産に役立てたい。国立大宮家畜研究所に就職、研究に没頭して、みなに評価をもらえるような結果も出ました。

しかし、昭和23(1948)年、研究は突如上からの命令で中止させられます。「ならば自分でやろう」。研究所を辞め、個人で酵素研究所を立ち上げました。それから63年、平和な世の中を背景に、酵素研究は「本物を提供」して人びとの健康をお手伝いすることにかわりました。

ここまで来られたのは、家族や支援者、従業員たちの支えはもちろんですが、好きで選んだ道に没頭できたからこそ。妥協したら、つづける意味がありませんから。


なるほどナットク引き算健康法 第15回

家庭でできる食品添加物の引き算

気づかぬうちに足し算される食品添加物。加工食品に溢れた現代、完全に排除するのはむずかしいもの。そこで、すこしでも添加物による害を引き算するための知恵をご紹介しよう。

市販の漬け物

よく見かける添加物

保存料(ソルビン酸 K)→染色体異常
着色料(タール系色素)→発がん性物質の生成
調味料(アミノ酸等)→味覚障害

1.パックの中の漬け汁を捨てる
2.流水でサッと揉み洗いする
ポイント

たった10秒の揉み洗いで添加物が半減!

ウインナー、ハム、ベーコン

よく見かける添加物

品質改良剤(リン酸塩)→骨粗しょう症
発色剤(亜硝酸 Na)→体内で発がん性に変性
着色料(コチニール)→遺伝子の突然変異

1.ウインナーは事前に包丁で切れ目を入れておく
ポイント

切れ目を入れてゆでることで、約40%もの添加物をカット!

2.たっぷりのお湯でゆでる
※ゆで時間

ハム、ベーコン…約15秒
ウインナー…約1分


食品に含まれている添加物が、水やお湯に流れ出る!

【今回のまとめ】

食べる前のちょっとした下処理が立派な食品添加物の引き算に!


※参考文献:『加工食品の添加物から体を守る方法』増尾清(2011)PHP研究所


野草のじかん 第25回

鉈豆[ナタマメ]



マメ科ナタマメ属
生薬名:トウズ(刀豆)



九州や中国、四国地方などの温暖な地域で栽培される、マメ科の一年草。成長すると大人の腕ほどにもなる大きな莢(さや)が特徴。

縁起物として珍重され、忠臣蔵で有名な赤穂浪士が吉良邸への討ち入り前夜に、成功を祈りナタマメを食したという逸話も伝えられている。

特有成分のカナバニンには血行促進や排膿作用があるとされ、「膿とり豆」の異名を持つ。その効能から、古くより薬膳の材料として用いられてきた。

明の時代に記された薬学書『本草綱目』には、「腎を益し、元を補う」とあり、免疫力を養う生薬として紹介されている。


妙高の野草採り名人
石田さんのひと言

「あの刀みたいに大きな莢は、一度見たら忘れられないねえ。あまり知られていないけど、じつは福神漬けの材料にもなっているんだよ」


医者にかかる前に腸に聞け! 第5回

腸内フローラを整えればからだが若返る

免疫力を左右する
3つのタイプの腸内細菌

わたしたちが食べるものは腸内細菌のエサにもなる。食物繊維や酵素たっぷりの和食は善玉菌を優位に、高脂肪な食事は悪玉菌を増やす。腸のためにも、いま一度食生活の見直しを

いよいよ夏本番ですね。みなさん、冷たいものばかり口にしていませんか? たとえバカな脳がそれを欲しても、腸内細菌たちはどうでしょうか。

わたしたちの腸にはたくさんの「腸内細菌」が棲んでいます。最新の研究ではおよそ3万種類、その数なんと1000兆個以上。すごい数ですよね。この腸内細菌は大きく3つにわけられます。みなさんもよく耳にする、善玉菌、悪玉菌、日和見菌です。これらが種類ごとに並んでいる様子が、花畑(フローラ)のように見えることから「腸内フローラ」とよばれています。

理想の腸内フローラは「善玉菌たくさん、日和見菌ほどほど、悪玉菌ちょっと」。この状態のときは消化吸収がスムーズで、免疫力も高く、からだは若々しくいられます。沖縄の高齢者の腸内細菌を調べたところ、その数も驚くほど多く、善玉菌優位のすばらしい腸内フローラだったといいます。

しかし、悪玉菌が増えると大変です。日和見菌も悪玉菌に加勢し、バランスは崩壊。タンパク質やアミノ酸は腐敗して毒素が発生。それがあらゆる臓器を傷つけ、からだを老化させ、脳卒中や心筋梗塞、がんなどの病気を引き起こすのです。



悪玉菌はほんとうに
「悪」なのか?

「では、悪玉菌をすべて排除しよう」と思われた方、慌てないでください。じつは悪玉菌がゼロでも、わたしたちは病気になってしまいます。くわしくお話ししましょう。

たとえば、悪玉菌の代表・大腸菌。これは、O‒157など有害な菌が腸に侵入してきたとき、いちはやく排除に動きます。つまり、門番のような存在なのです。また、みなさんが積極的にとっている食物繊維には、水に溶けない「セルロース」があります。しかし人間はセルロースを分解する酵素を持っていません。これをせっせと分解し、その過程でビタミンまで合成してくれるのが、ほかでもない悪玉菌なのです。

問題なのは悪玉菌の存在そのものではなく、それが増殖してしまうこと。善玉、悪玉というよび名は、人間が便宜上つけたものに過ぎません。悪玉菌の増殖を防ぐには、からだを冷やさない、高脂肪なものは食べない、そして薬に頼らない。この三原則をぜひ覚えてください。

先述のとおり、大切なのは腸内フローラを整えることです。悪玉菌を増やさぬように気をつければ腸はピカピカになり、からだも若返ります。

しかし、残念ながら善玉菌は歳とともに減少していくもの。次回は善玉菌を増やす方法をお教えしましょう。

最近よく、「悪玉菌を退治しよう」といった宣伝文句を見かけることがあります。しかし今回、悪玉菌も欠かせない存在だということがわかりました。いっぽう的な情報に振りまわされず、きちんと判断する力を持ちたいものです。


近藤堯の酵素塾

冷え性なので『ゲルニン129』を飲みはじめたら、つま先までぽかぽかになってビックリ! 液体のゲルニンも販売してください。粒状より強力なのでは?
(栃木県・女性・54歳)

冷えは冬だけの話と思われがちですが、冷たいものを口にする機会の多い夏は、おなかが冷えて酵素のはたらきが弱まりやすい季節。からだを中からぽかぽかにしてくれ、スタミナ成分たっぷりの『ゲルニン129』は夏バテ対策にもぴったり。わたしも長年愛飲しており、冷えや夏バテとは無縁です。
そんなゲルニンの原料は、レバー、マムシ、ニンニクなどクセのあるものばかり。液体のままでは飲みにくいため粒状にしていますが、液体に劣るということはありません。形状が違えど、『野草酵素』と『野草酵素 顆粒』に優劣がつかないのと同様です。
夏バテは暑さの和らぐ8月下旬から9月上旬に起きやすいので、いまから備えておきたいですね。

『野草酵素』を6年つづけ、家内ともども病気知らず。ただ、毎日飲んでいると「味」や「色」が異なると感じることがあります。問題ないでしょうか?
(広島県・男性・78歳)

『野草酵素』の原料は天然の野草。天候や収穫時期によって品質が異なりますし、菌という生き物で発酵させる以上、微妙な差が生じることは確かです。
甘味料や着色料をつかえば、かんたんに同じ味・色の酵素もつくれるのでしょう。しかし、からだのために飲むものに余計な添加物をくわえては本末転倒。そこで、野草酵素づくりはどんなに手間がかかろうとも手作業で菌や原料の状態を見極め、細かく調整する方法をとっています。さらに、出荷前には糖度や粘度を数値で調べ、人の五感でも味や香りを確認し、基準に合う酵素だけをお届けしているのです。
味や色に違いがあってもごく小さいものですし、酵素のはたらきはかわらないので、どうぞご安心を。そんなわずかな差に気づかれるとは、毎日飲まれている方ならではですね。長くつづけていただき、うれしく思います。